「ゲラ」と「原稿」ってどう違うの?
土曜日ということで今日から2日間は完全オフでございます。
というわけで、肩の力をより一層抜きながら
ブログを更新したいと思います。
編集者になって最初に学んだことがあります。
それは「ゲラ」と「原稿」の違い。
「ゲラ」という言葉は、みなさん、
どこかで聞いたことあるのではないでしょうか?
「原稿」もみなさん、よく使う言葉なのではないでしょうか?
「スピーチの原稿」「レポート原稿」
「プレゼンの原稿」など、
いろんな場面でよく使うかと思います。
「ゲラ」と「原稿」、わたくしも編集者になるまでは同じ物だと思っておりました。
著者さんが書いたものが「原稿」であり、「ゲラ」である、と。
なんとなくですが、
「原稿」のことを業界人っぽく「ゲラ」と言っている
のだと思っていたのです。
しかし、編集部に本配属となったとき、
先輩の仕事を手伝う中で発した一言でこの違いを知ることになりました。
わたくし「先輩、〇〇先生の企画って、もう責了まじかなんですよね。勉強したい ので、いま進行中の原稿を見せてください」
先輩「??ああ、ゲラのことね。了解・・・はい、どうぞ」
わたくし「原稿、ありがとうございます!」
先輩「あ、それ、原稿じゃなくて、ゲラだよ」
わたくし「!!え、原稿とゲラって違うんですか!」
と、こんな感じで初めて
ゲラと原稿は別物
ということを知ったのです。
その違いは何かというと・・・
・原稿=著者さんが書いたもの
・ゲラ=著者さんが書いたものを編集者がチェックして、OKとなってDTP(組版)さんに渡して実際の本のレイアウト上に文章を落とし込んでもらったもの
となります。
原稿というのは、
実際に著者さんが書かれた出来立てホヤホヤの文章のことを指しまして、
大体ワードなんかで送られてくるケースが多いです。
著者さんから送られてくるもの、これが原稿になります(大体みなさんのイメージ通りです)
ちなみに、手書き原稿はほとんどなくて、今はワードで書かれる方がほとんどです。
↓↓これが、いわゆる「原稿」
それを編集者サイドで整理・調整して、
「原稿としてOK!」となったデータを
文章を本のレイアウト上に落とし込んでくれるプロの方にお渡しし、
そして実際レイアウト通りに文章を当て込んで編集者に送ってくれたものを
「ゲラ」というわけです。
↓↓「ゲラ」。本のレイアウト通りに文章が流し込まれています。
なので、DTPさんに原稿データをお渡しする際には、
・本文のデザイン
・1ページにおける行数
・1行における文字数
・見出しで何行とるのか
・見出しごとに改ページするのか
・図版がどこに入るのか
等々をお伝えする必要があるわけです。
簡単に言うと、
原稿→ゲラ
「原稿がゲラになる」という流れでございます。
本というのは、ワードデータで最後まで進むと思っていたわたくしは、
この違いに衝撃を受けました。
なぜなら、大学時代、わたくしにとって
「文章を書く・読む=ワード」
という、熱烈なワード信者!だったからです。
「文章を書くならワードがすべて!」
「ワードにできないことはない!」
と思い込んでいたわたくしですが、
実際ワード→ゲラに落とし込む際には結構トラブルが多く、
「ワード上でできることは意外と限られている」
と今は思っています
(たとえば、
「ルビがうまく反映されない」
「太字もうまく反映されない」などです)
「原稿」と「ゲラ」の違い。
言葉の上では似ているようでも、
姿・形、そして役割はかなり異なります。
「言葉のプロ」として、もっと言葉の意味を大切にしよう!と思えた経験でしたので、
ブログに書いて今後も戒めにしようと思った次第なのでした。
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