SIRISIRI’s diary 大人の読書感想文。

一応出版関係の仕事をしているので徒然なるままに本を読んだり、なんかしたりしたことをゆる~く書いてまいります。

徒然なるまま感想文19『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』

こんにちは、SIRISIRIです。

 
2年ほど前からでしょうか、
「マインドフルネス」という言葉が
流行りつつあるのをご存知でしょうか?
 
わたくし、翻訳関係のお仕事もしておりまして、海外の出版社さんから、
今どんな内容のほうが現地では流行っているのか?
を聞く機会があります。
 
で、2年前くらいから欧米を中心に言われていたのが、
マインドフルネス
という言葉。
 
その当時は聞き慣れていない言葉でしたが、
いまや日本のビジネス系雑誌でも特集を組まれるほどになっています。
欧米では一大ムーブメントとなってまして、
ちょうどピークを迎えている段階のようです。
(むしろピーク過ぎてる?)
 
マインドフルネスとは、
精神を充実させてパフォーマンスを上げる
ということを意味しています。
で、その術となるのがおもに瞑想。
 
「瞑想」ときくと、やはりまだちょっと怪しいという感じがしますよね。
 
そのせいもあってか、
日本ではまだまだ「マインドフルネス」は定着しきっていない印象でして、
逆に言うと、
その分野の第一人者になれる可能性大
ということなのです。
 
わたくしもマインドフルネスには興味津々でして、
ぜひその分野を開拓したと言わしめる本を作りたいと思っています。
 
で、企画を立てるうえでもまずはリサーチということで、
最近出た、そっち系の本を読みましたのでご紹介します。
 

f:id:SIRISIRI:20160607175651j:plain

外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』

(竹下雄真さん、ダイヤモンド社さん)
 
出たまだ1週間がたったくらいの本になります。
 
かなり気合い入っているようでして、
どこの書店さんに行っても、目立つところで展開してました。
 
で、わたくしも気になったので早速購入して読み進みました。
 
2日間で読了したのですが、
それくらい内容は超簡単といえ、
わかりやすいと思います。
 
装丁もカッコよくて、これは、、、
と思って読み始めたのですが、
(簡単な裏返しでもあるのですが)
内容はやや薄いようにも思えました。
 
ヨガ、なので
マインドフルネスとは直接うたってないのですが、
(マインドフルネスと言ってしまうと、
日本だとまだ敬遠される可能性があるため)
ちょこちょこヨガのエクササイズが書かれているような作りでして、
本全体的には理論編がほとんどといったつくりでした。
本格的にヨガ(マインドフルネス)をやりたい人にはかなり物足りないのでは、と思います。
 
ただ、すごくわかりやすいので、
入門書にはピッタリなのではないでしょうか。
 
呼吸の話(吸うの2倍吐く)なんかもおもしろかったですね。
 
ただ、1点、わたくしが担当編集だったら、
という視点で語らせていただきますと、
この本の終盤に、
「考え方は簡単には変わらない。
人生を変えようと思ったら、体を変えることが
確実でもっとも簡単な方法」
という言葉が出てきます。
 
よく、ビジネス本や自己啓発書で、
「考え方を変えよう」
「考え方しだいで人生は変わる」
といった本があるのですが、
個人的には読み飽きましたし、
考え方を考えるだけで人生が変わるとは思えません。
それにもっと具体的で実践的な答えを教えてくれよ!
と一読者としては思ってました。
だから、編集者としては
「精神論だけの本は作らない!」と
決めていたのです。
(「作りたくない!」という願望のほうが強いかもしれませんが、
「考え方も大事」だとは思います)
 
で、さっきの言葉。
これはかなり大事な肝となる部分で、
「あ、そんなんだ!じゃあ続きを読もう!」と思わせられる、本を読む動機になりうる部分なのに、
それが最終盤で出てくるのはかなりもったいないように思いました。
 
わたくしだったら、本のど頭、
「はじめに」の最初に持っていくかな、と思います。
 
大事な起爆剤となるところは適所に配置する。
この教えを、一読者として再認識できました。