徒然なるまま感想文59『採用基準』
こんにちは、SIRISIRIです。
本日は、2012年に刊行され、
10万部を突破したビジネス書を取り上げたいと思います。
著者さんのバックグラウンドにあるのは、
いまやその名を冠にした本がたくさん出ている
あの有名コンサルティング企業。
そんな企業で上にどんどん昇っていく人は
どんな働き方を心掛けているのか――
そんな「マインド」を中心に、
これから「必要とされる人」になる方法について
書かれていた1冊です。
『採用基準』
(伊賀泰代さん著、ダイヤモンド社)
マッキンゼーで人材採用を担当されていた著者さんによる
「必要とされる人は、なにをしているのか?」について
マッキンゼーのお話を軸に展開していく本になります。
タイトルに「マッキンゼー」とつく本は、
書店さんにいくと本当にたくさんあるのですが、
やはり「マッキンゼー」という名前は
それだけで「なにかすごそうなことが書かれていそう」と思えてきます。
そんな「マッキンゼー本」の先駆けともいえる本書。
マッキンゼーで活躍している人はどんな人なのか、が余すことなく語られています。
「マッキンゼーに入るくらい頭がよい人は、
きっとずば抜けて頭がいいんだろうな~」と思われがちなのですが、
著者はここに「誤解」があるといいます。
マッキンゼーが求める人材は、「問題解決能力」が高い人ではなく、
「考えることが好きな人」であり、
「この人はどんな考え方を、どれくらいしているのか?」
を面接時にはみているといいます。
これは「地頭力」ともちがうそうで、
”「頭の中から、解放という知識を取り出すこと」と
「考えること」がまったく異なる行為である”
とのこと。
著者さんは、さらに「思考力」についてこう続けます。
「思考力」=「思考スキル」+「思考意欲」+「思考体力」
という図式である、と。
よく言われる「問題解決能力」は、この式でいうところの
「思考スキル」。
この能力が高い人が企業からは重宝されると思われがちですが、
このスキルは、入社してからトレーニングでいかようにも伸ばせるとのこと。
それに対して「思考意欲」と「思考体力」は一朝一夕では磨かれません。
なので、「どれだけ粘って考えられるか」がマッキンゼーの採用では非常に大事にされている要素とのことでした。
思考力と並んで本書で取り上げられているのが
「リーダーシップ」。
「リーダーシップ」は一部の人にだけ必要なものではなく、
また、「部長」や「係長」といった役職にも関係のない、
すべての人にとって必要なスキルである、と著者さんは語ります。
すべての人がリーダーシップをとったからといって、
ミーティングがとりとめのない結末になることはなく、
むしろ成果は必ず上がる――
そんな「リーダーシップの磨き方」についても熱を入れて本書の中盤以降では説かれています。
科学的なエビデンスではなく、
著者さんの経験的エビデンス、
そしてマインド(考え方)が話の土台にはなっていますが、
それでも説得力は十分。
逆にいうと、特別なことをしたり才能があったりする必要はないと、
背中を押してくれます。
世界で活躍する人は、どんなことを大事にしているのか―ー
そんな「必要とされる」人についてあますことなく書かれている本書、
オーソドックスなビジネス書としても、読まれていない方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
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