SIRISIRI’s diary 大人の読書感想文。

一応出版関係の仕事をしているので徒然なるままに本を読んだり、なんかしたりしたことをゆる~く書いてまいります。

徒然なるまま感想文58『サピエンス全史(上)』

こんにちは、SIRISIRIです。

 

 

今日も、「最近のベストセラー読書」の中から1冊、

ある本を取り上げたいと思います。

 

今回の本も翻訳書で、海外では何か国にもわたってベストセラーランキング入り。

なんでも48か国で刊行されているのだそうです。

アメリカのAmazonドイツのAmazonでもベストセラーとなっていたのを覚えています。

 

日本では昨年の9月に刊行となったようですが、

テレビでの紹介がきっかけで現在24万部まできているようです。

 

おそらく、このブログで取り上げるのは初めてとなる本書。

とても読み応えのある、とっても頭が賢くなりそうな本でした。

 

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『サピエンス全史(上)』

(ユヴァル・ノア・ハラリさん著、柴田裕之さん訳、河出書房新社さん)

 

いままで取り上げた中では

いちばんハードな本ではないかと思います。

 

「内容が固め(まじめ系)」とはいえ、

「難しい」「文章が読みづらい」「わからない」といった難点は

一切ありませんでした。

 

むしろ、「これだけ難しそうなことを言ってるのに、わかりやすい」

とさえ感じたほどです。

 

著者さんは、イスラエル出身の歴史学者で、

イスラエルヘブライ大学で歴史学を教えているという方。

 

「サピエンス」という言葉が示すように、

「人類はどこからやってきて、どのようにして現在の生活に落ち着いたのか」

といったことを歴史や文化を大観しながら追及していく、というのが大まかなあらすじです。

(上巻は読んだのですが

下巻はまだ読めておりません。。。)

 

ど真ん中の人文書なので、なかなか自分事にはしにくい部分が多いのですが、

「なるほど~」「そうだったのか~」と勉強になったり、

過去だけでなく、「これからの歴史」について考えさせられる一文があったりしました。

 

・歴史上の定着は、すべては物語を語ることと、人々を説得してその物語を信じさせることにかかっていた

歴史上の数少ない鉄則の一つに、贅沢品は必需品となり、新たな義務を生じさせる

・実際には、「自然な」と「不自然な」という私たちの概念は、生物学からではなくキリスト教神学に由来する。

 

何千万、何億という人を動かそうと思ったらなにが必要だったのか――

それは、「物語」であり、「神話」である、と著者は語ります。

人々が「共通の事を思う」ことでこそ、階級が生まれ、システムが生まれ、そして大勢の人のベクトルが同じ方向にそろって動き出すのだ、と。

 

これは、本書の中盤の語りでして、

序盤は「サピエンスのルーツはどこにあるのか?」といったところが中心に語られています。

 

非常に読みごたえはあるのですが、

それでも読みやすくベストセラーになった本書。

 

「少しハードルが高めの本に挑戦したい!」という方はぜひ

お読みいただければ、と思います。

 

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