徒然なるまま感想文56『「原因と結果」の経済学』
こんにちは、SIRISIRIです。
今日は、最近(ほんとうに最近です!)発刊されました、
ベストセラー本の第2弾(?)的な位置づけの書籍をご紹介したいと思います。
最近また流行りだしてきた「経済学」を軸とした、
一見「賢そうな」本書。
読んでみて感じたのは、
「基本への立ち返り」でした。
『「原因と結果」の経済学』
(中室牧子さん&津川友介さん著、ダイヤモンド社さん)
30万部を突破したベストセラーで、
2016年ビジネス書大賞準大賞を受賞した、
『「学力」の経済学』の著者・中室さんの第2弾的な本書。
本書も、『WORK SHIFT』と同じく、
1作目とは出版社が異なるのですが
タイトル、かなり意識してつけられてます。
で、内容ですが、
『「学力」の経済学』の前章・プロローグともいえる
経済学やデータ分析の「基本のき」を抑えた内容で、
とっても読みやすかったです。
順番的には、
『「原因と結果」の経済学』
↓
『「学力」の経済学』
という順で読むと、より頭に入る、といった印象でした。
とくに、印象に残ったポイントとしては、
「エビデンスとは何か?」の解説でした。
データや理論にのっとっていたら、
それはもう「エビデンスベースだ」と受け取られがちなのですが、
「前後関係の違いを指摘しただけのデータから導き出された結論は、
決してエビデンスベースとはいえない」
と本書では断言します。
①「まったくの偶然」ではないか?
②「第3の変数」は存在していないか?
③「逆の因果関係」は存在していないか?
といったことを検証してクリアしなければ、
エビデンスベースにはなりえないのです。
本書は「本当に正しい『因果関係』の導き出し方」について、
様々なデータや事例を引き合いに出しながら検証していく内容になっています。
ひとつ例を出すと、
「運動している子どもは学力が高い」という通説について。
実際、「運動量が多い」地域に住んでいる子どもは
「成績も優秀」というデータが出ていて、
「運動→学力」という因果がなりたっているようにも見えます。
しかし、だからといって「賢くするために、子どもに運動をさせよう!」というのは早計で、
たとえば、「子どもに運動をさせる親は教育熱心といえる。そんな教育熱心な親に育てられた子どもは、当然学力が上がる可能性も高い」という可能性を考えなくてはいけません。
この場合、子どもにいくら「運動」をさせたところで、「成績」は伸びない可能性だってあるのです(現に、「子どもの運動量と学力に因果関係はない」という結論が本書では出されています)
この、「運動している子どもは学力が高い」といった、一見因果関係がありそうだけれども、「原因→結果」の関係になっていないものを「相関関係」というようで、
本書では、
「これは因果関係が本当にあるのか、相関関係なのか」を見破る術がいくつも書かれています。
データ分析や経済学に興味がある人、思考力を高めたいという方には
おすすめの1冊でした!
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