徒然なるまま感想文51『エッセンシャル思考』
こんにちは、SIRISIRIです。
いま、力を入れているのが
・直近~3年くらい前にかけてのベストセラーを読む
・新刊で「ベストセラーになるのでは?」と思った本を読む
・3年以上前の「大ベストセラー」を読む
の3点です。
で、最近は「直近のベストセラー」読みを中心にしていたのですが、
本日は2011年下半期にでました、
翻訳書のベストセラーを取り上げたいと思います。
帯には「12万部突破のベストセラー」とありましたが、
はたして内容は……
『エッセンシャル思考』
(グレッグ・マキューンさん著、高橋璃子さん訳、かんき出版さん)
タイトルが素晴らしいですよね。
「エッセンシャル思考」。
翻訳書っぽい雰囲気を残しつつ、
具体的に何を意味しているのかはタイトルだけでははっきりとわからないものの、
なにか「自分にとって必要なものを見極めるスキルを高めてくれる」ことを予感させる
タイトリングとカバーまわりになっていると思います。
装丁のイラストは、
本当にうまく「エッセンシャル思考」を体現していると思います。
一目で「ああ、エッセンシャル思考ってそういうことなんだろうな~」と
思わせてくれる、そんな「きっちりとねらいと効果が当てはまった」
素晴らしい装丁だと思いました。
「より少なく、しかしより良く」――
これが本書の芯を貫いている要素です。
去年くらいからでしょうか、
「ミニマリスト」というジャンルの人気が出てきまして、
「物を最小限に減らす」「物を持たない」人たちに注目が集まっていたように感じております。
この本は、「ミニマリスト」ブーム以前に、
「思考のミニマライズ化」を提唱した画期的な本で、
序盤の理論編を読む限りだと、「そうはいってもなかなかそこまでできないんだよな~」と思ってしたったところもあったのですが、
中盤以降の実例や、「では、どうすればいいのか?」といったメソッドの部分もきちんと書かれていて、非常に納得感のある読了でした。
この本を読んで、改めて感じたのは、
「いかに自分が一点集中して物事を考えられていなかったのか」ということ。
そして、それが「どれほどもったいないか」ということでした。
優秀な人ほど、成功のパラドックスに陥りやすく、
「自分にはできるはず!」と、なんでも引き受けてしまう――
「たくさん仕事を抱え込む」のが、さもステータスのように感じられる――
これは多くのビジネスパーソンに当てはまるのではないでしょうか。
しかし、本書ではきっぱりこれを「良くないこと」とし、
切り捨てることをすすめます。
基準は「90点」。
「90点以下は0点」と見なすことで、
その仕事に時間を割くのはやめるよう心がける、と書かれていました。
この部分だけを読むと、「そんなこと、できないんだよな~」と感じられることと思いますが、本書の事例やメソッドを読めば、
「少しトライしてみようかな」と思えるはずです。
とくに、「編集」と題された章は深く印象に残りました。
編集者の仕事を通じて、一般のワーキング・ライフ・スタイルに言及している部分なのですが、
「このキャラクターやエピソードは、本当に作品を良くするだろうか?」と考え、
「大好きなものを殺すんだ」というセリフには、本当に「そうだな~」と強く共感しました。
「より少なく、より良く」
この言葉をスローガンに、今週は業務に取り組んでみたいと思います!