SIRISIRI’s diary 大人の読書感想文。

一応出版関係の仕事をしているので徒然なるままに本を読んだり、なんかしたりしたことをゆる~く書いてまいります。

徒然なるまま感想文49『僕らが毎日やっている最強の読み方』

こんにちは、SIRISIRIです。

 

今日は、最近力を入れている「直近のベストセラーの読書」のなかから(←日本語、変ですよね)ある1冊を取り上げたいと思います。

 

今年読んだなかでは、現状第1位の本でして、

・本の内容

・企画、著者の立て方

的にも、ベストセラーになってしかるべき、という本でした!

 

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『僕らが毎日やっている最強の読み方』

池上彰さん、佐藤勝さん共著、東洋経済新報社さん)

 

昨年末刊行になった本書ですが、

最近見た広告だと「20万部突破!」と書いていたので、

すごい売れているようです。

 

タイトル良いですよね~。

ここ最近、「最強の~」「超一流の~」「最高の~」「究極の~」「すごい~」といった

最上級表現のタイトルが氾濫していますが、

まだ「読み方」が残っていたとは・・・

いやはや、「それがあったか!」と思わずにはいられませんでした。

 

そんな「最強の読み方」ですが、

このお二人なら、「最強」といわれても納得ですよね。

毎日超多忙なお二人のインプット法があますことなく、本書では対話形式で語られていました。

 

見出しも非常にインパクトがあり、かつ明快で、

「ひねってはないけど力強い」すごい見出しの連続でした。

 

対話形式の本分ですが、

本当にお二人がすぐそこで話しているかのようなまとめ方で、

どんどん読み進めていけます。

個人的な印象としては、

佐藤勝さんの勢いにやや池上彰さんが押され気味、といったところでしょうか。

(とはいえ、冷静沈着に語る池上さんのお話もとてもおもしろく、

 方法論も「なるほど~」と思いました)

 

本書は、よくある「読書術」の本ではありません。

書籍も含め、新聞、ネット、雑誌、教科書の効率の良い読み方を教えてくれる

まさに「読み方」に関するあらゆることを取り上げて

知の巨人が語り合う1冊です。

 

「とても自分にはできないな・・・」

という部分もあるにはありましたが、

それはそれで勉強。

いつか「トライしてみたい!」 と、

できない絶望感を味わうというよりかは

やってみたくなる気持ちを高めてくれる内容です。

 

とくに「書籍は”はじめに”や”おわりに”だけでなく、真ん中を読んで買うかどうか決めるべし!」という部分が、非常にぐさりと刺さりました。

 

その理由は本書で書かれているのですが、

「たしかにな~。気を付けないと」と、作り手として「気を付けなければいけないウィークポイント」を見事に付かれていました。

 

といいますのも、書籍の編集を始めたころ、

諸先輩方から常に言われていたのが

「はじめに」の大切さ

 

・タイトル

・カバーデザイン

・はじめに

・目次

で購入してもらえるかどうかの9割が決まると言っても過言ではない、と。

 

事実、「はじめに」はすごく大事だと思いますし、

見出し(=目次)もとっても大切だと思います。

なので、私自身、そこには力を入れて編集するようにしているのですが、

そこでよく起きがちなのが「中だるみ」現象。

これは本当に気をつけなければいけなくて、

真ん中あたりになると、作っている側からすれば

「木を見て森を見ず」状態になってしまい、

終わってから俯瞰してみると、

「あれ?」ということがたまにあるのです。

 

ここは改めて気を引き締めなければ、と思った所存です。

 

とはいえ、そういった「どこに読み物の強みが弱みがあり、どうやって判断していけばいいのか」といったヒントがたくさん転がっていて、

買って損はしない1冊ですので、

ぜひぜひ沢山の人に読んでもらえれば、と思った本でした!