徒然なるまま感想文33『子どもが「読書」に夢中になる魔法の授業』
こんにちは!SIRISIRIです。
昨日重版がかかった『毎日定時』。
今日からはまた、さらなる重版、
そして本格的に3万部を目指す日々がスタートとなります。
よりたくさんの人に届くように、と願って
今日からわたくしも気合いを入れ直して頑張ります、
さて、少し前に
「いま、子育て本もつくってるんですー」的なことを書いておりました。
振り返ると、じつはこの感想文の第1弾は
そんな中読んだ育児書だったんですねー、懐かしい。
で、今回また企画を次へ進めるために
ある子育て本?を読みました。
それは「本を読む子に育てるには、どうすればいいの?」
がテーマの翻訳書。
「本を読む子に育ってほしい!」と思っているママさんはかなり多いと、
以前聞いたことがあります。
じつは、現在わたくしのほう進めている企画にも
その要素をどう盛り込もうか悩んでいたところでした。
そんなときに目に飛び込んできたのが、今回取り上げる本。
カバーも素敵で、「どんなことが書かれているんだろう?」とわくわくしながら
読み始めたのでした――
『子どもが「読書」に夢中になる魔法の授業』
(ドナリン・ミラー著、高橋璃子さん訳、かんき出版さん)
あの有名塾「花まる学習会」の高濱さんの解説が最初についているのですが、
これはおそらく翻訳書の弱点である「それ、外国だからいえるんじゃないの?」という部分を補強するため。
とくに、海外のお医者さんが書いた本や、翻訳書の子育て本に
監修者がついて「これ、日本人でもできますよ~」という保証がつけられるケースが多いような気がします。
そんなわけで、
この本にも高濱さんという有名な教育評論家さんのお言葉がつけられているのですが、
おそらく読んでもらえばわかるように、
太鼓判がなくても十分日本でも実戦可能な本でした!
それくらい内容的にも、なかなか良かったのではないかな、と思いました!
著者のドナリンさんはアメリカの小学校の先生だそうなのですが、
彼女がやってきた国語の授業というのがひと味変わっていて、
「自由に本を読んでいい」という大方針のもと、教室が運営され、
その結果、担当したクラスの子が全員読書好きに変わっていくとのことです!
数字も驚異的で、子ども達の1年間の平均読書量は40冊を超え、
一番少ない子でも22冊だったそうです。
この数字、かなり驚異的でして、
アメリカの大人は平均して4冊しか1年間に本を読まないというデータがあるにもかかわらず、(子どものデータもあったと思うのですが……見失ってしまいました、ただかなり低めだったと記憶しています)
彼女の教室はその約10倍を記録するとのことでした。
では、なぜ彼女が受け持つ生徒はみんな、本好きになっていくのでしょうか?
その大きな理由は2つあって、
①子ども達の読書環境を整えている
②大人である著者自身が子ども達の前で読書している
からこそ、子ども達の読書力が身についていくそうです。
アメリカの国語の授業も日本と同じ感じで、
読みたくもないテキストを音読させられたり、
読んだかと思えば小テストがあったりと
かなり画一的な授業が一般的には展開されているとのこと。
しかし、こんな授業では子ども達が進んで本を読むようになるはずもなく、
さらにいえば成績さえも「自由に本を選んで読む」のと比べると落ちるそうです。
「自由に本を選ばせて読ませる」と書きましたが、これはなにも「好き勝手にさせる」というわけではなく、
「テーマ」を提示したうえで本を何冊もオススメし、子ども達が実際に手に取れる環境を整えてあげる、という行動を著者はとっています。
そうすることで子ども達は自分から本に手を伸ばして
どんどん読んでいくそうです!
また、大人が本を読むことも大切で、
自分は本を読まないのに子どもには読んでほしいなんて
叶うわけがありません。
本書で書かれているように
読書にもお手本が必要で、
大人が進んで読んでいる姿を見せることが大切なのです。
本書を読んで心に残ったことがいくつもありました。
・子どもに「本が嫌いな人もいる」ということは言わない。
初めにそんなネガティブなことを言ってしまうと、子ども達にとって格好の言い訳になってしまうから。
・簡単な本でもいいから、自由にたくさん読む。それによって読解力が上がり、語彙が増え、つづりや文法を含めた全体的な能力がアップする。
昔ながらの国語教育は、「自由に読む」という最高の勉強を邪魔してしまう
本書はおもに著者の授業の進め方やエピソードを通じて
「読書好きに育てる法」を解き明かしていますが、
これは実際のご家庭でもすぐにできます!
(黒板も、机も、椅子も、必要ないのですから!)
かっちりした内容ではあまりないことはないのですが
(メソッドフルではない)、
良いことはたくさん書かれていますので、
ご興味のある方はぜひ読んでみてください!
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