SIRISIRI’s diary 大人の読書感想文。

一応出版関係の仕事をしているので徒然なるままに本を読んだり、なんかしたりしたことをゆる~く書いてまいります。

書籍の企画は著者から探す?内容からつくる?

こんにちは、SIRISIRIです。

 

以前、『毎日定時』の記事で、

「今回の企画は、内容から先に考えました」的なことを書きました。

 

そこで、今回は編集者としてわたくしが

どのように書籍の企画を考えているのかを

ちょっと書きたいと思います!

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企画は「テーマ優先」で考えるべきか?それとも「内容優先」?

今回は、企画を考える「順番」について。

これに関してはわたくしもずいぶんと悩みましたし、

いまでもコロコロ変わったりしています。

 

よく言われるのが

「著者から考えるのか、それとも内容(テーマ)から考えるのか」

という点です。

これは永遠の論争テーマのように思えるくらいよく聞くのですが、

平たくいえば、

「おもしろい著者(著者になり得る人)がいたから、

 この人に書いてもらいたい!」

著者のパーソナリティから入って企画を考えるのか、

「自分のいまの悩みはこれ」「○○を解決したい!と思っている人は多いだろうから、この悩みを解決する本をつくろう!」

解決する悩み・叶えてくれる願望から考えてそれにあった著者を見つけるのか、

ということです。

 

どちらが「いい・悪い」というわけではありません。

おもしろい著者を見つけてそこからヒットが生まれることもありますし、

内容から先に考えれば、よりダイレクトに悩みを解決してくれる本がつくれます。

 

わたくしの場合、以前(3,4カ月前)までは

どちらかというと「著者優先型」で企画をつくっていました。

なぜならそのほうがわりと簡単だから、です。

ただし、これは「企画を考えるうえでは」という注釈がつきます。

「ヒットを打つ」うえで簡単かというと、そんなことは決してありません。

 

まず、なぜ簡単に思えたかというと、

おもしろい著者さんというのは往々にして個性的なので、

その個性(ナンバー1かつオンリー1に思える部分)を掘り下げれば、

それっぽい企画を作れるからです。

 

ただ、ここで注意しなければいけないのは、

その企画が本当に世の多くの人々に必要とされているのかどうか、

という点です。

ここを見誤ってしまうと、

売れない本の完成!となってしまいかねません。

また、「おもしろいけど売れない」企画はこのようにして考え出されがちです。

 

そういった点も踏まえて、

わたくしは今、企画を「内容先行」で考えています。

まず、「解決できる悩み(まだ本になっていなくて、世の人がじつは持っている悩み)は何だろう?」と考えて発見し、その後でテーマに合致した著者さんを見つける、という方法です。

このほうが悩みにダイレクトに届きますし、

何より著者さんとの打ち合わせの段階で、

「このテーマで書いてほしい」

「この悩みを解決する本を作りたいんです!」

と曖昧にすることなくハッキリ伝えられるので、

その後軸がぶれることなく本作りを進めることができます。

 

ただ、ここでの注意点は、

「ありそうでなかった」解決されていない悩みを見つけるのが難しい

・そんな悩みを「見つけた」気になっている可能生も高い

・この悩みを「おもしろく」「すぐに」解決してくれる著者さんを見つけるのも難しい

ということです。

本当にその悩みにニーズがあるのか、という点と、

著者さんが解決してくれるメソッドがおもしろいか、ということを

見極めなければいけないのです。

 

ただ、ハードルがたくさんある分、

飛び越えられればそれだけヒットの確率が高まります。

 

また、最近は、

「著者さんがその悩みをユニークに解決しれくれるかどうか待つのではなくて、

一緒にその方法を探す」大事さを学びました。

 そうすることで、「ユニークで効果的」な方法を探し出せる確率がぐんと

高まるのです。

 

編集者さんによって、企画の立て方というのは

本当に様々です。

わたくしも

毎日つくっては考え、つくっては考え

の繰り返しですので、

まだまだ勉強の日々は続きます!

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