徒然なるまま感想文21『THE DEMONOLOGIST ――the extraordinary career of Ed & Lorraine Warren――』
昨日、「紙の書籍or電子書籍?」の考察の中で、
「洋書は電子書籍で読むようにしている」と書きました。
そんなに数が多いわけではないのですが、
本日はその中から一冊、個人的にどハマりした本をご紹介したいと思います。
洋書ではありますが、ジャンル的にもこれまでとは一線を画すものです。
『THE DEMONOLOGIST
――the extraordinary career of Ed & Lorraine Warren――』
(Gerald Brittleさん著、未邦訳)
日本語に訳すと、
『悪魔学~エドとロレイン夫妻の数奇な人生~』
となるでしょうか。
この本の主人公、
Ed & Lorraine Warren(エドが夫で、ロレインが妻)
は実在した夫婦で、
奥様のロレインさんはご存命です。
表紙からすでにおどろおどろしい雰囲気が漂っていますが、
わたくしがこの本を手に取った(電子書籍なので「手に取って」はいませんが)
背景には、ある一本の映画があります。
それは2013年に公開された『死霊館』という映画。
わたくし映画も大好きでして、
洋画ホラーもよく観るのですが、
この作品は「実話」を基に撮ったというだけあって、
ストーリーに妙なリアリティがあって
大変おもしろかったです。
(ちなみに、続編の第2弾がこの夏公開予定です)
その、「実話」というのが、
このウォーレン夫妻の物語なのです。
ウォーレン夫妻はアメリカでも屈指の超常現象研究家でして、
いわゆる「心霊現象」を学問レベルにまで体系化した人物になります。
妻のロレインさんは霊能力をお持ちで、
「あっちの世界の住人」や「オーラのようなもの」が見えるとのことです。
夫のエドさんにはそうした能力はありませんが、
30~40年前では珍しく、科学的な装置を用いて
超常現象を記録・検証していたようです。
そう、彼らの「心霊現象」検証は、
霊能力と科学の力をあわせて行われていくのです。
実際、彼らはアメリカでは超有名で、
現在夫人の住む家に隣接している通称「オカルト博物館」には
いまなお多くの人が通い、
数々の伝説が残されています。
で、今回取り上げたこの本ですが、
単純なホラー作品とは明らかに一線を画します。
悪魔がいかにして人間界に入り込み、
そして人の魂をむしばんでいくのかということが、
理論的に、そして経験も織り交ぜながら語られているのです。
たとえば、よくあるのが「人形に霊が取り憑いた!」というお話。
人形が勝手に動いたり、髪が伸びたり・・・・・・
こんな話をどこかで聞いたことがあると思いますが、
彼らいわく「霊は物に取り憑かない」とのこと。
ではなぜ人形が勝手に動くのか、というと、
それは悪霊がある目的で操作しているからなのです。
その目的とは、「承認」。
要は、人形の持ち主が何らかの形でその存在を「承認」してから
初めて悪霊は活動し始めるのです。
さらにウォーレン夫妻は霊が人間の魂を食らうには
3つのステップがあると唱えています。
1.出没(infestation)
2.攻撃(opression)
3.憑依(posession)
「人形が勝手に動いた!」という例でいうと、
・人形を動かして存在を示す(=出没)
・何らかの形で同情などを誘い、承認させる
・ターゲットを人形をつかって、物理的・精神的に攻撃する
・霊からの攻撃により精神が衰弱しきった状態に、霊が取り憑く
こんな流れになるかと思います。
また、悪魔(悪霊も同じかと思われます)が出現するときの現象としては、
・壁などを「ドン、ドン、ドン」と3回叩く音がする
(キリスト教の三位一体説を侮辱するため)
・キリストの十字架が倒れる、逆さまになる
・肉が腐ったような、腐敗臭がする
などが起きるそうです。
ただ、これらはキリスト教と密接に関わっているので、
「欧米にしか悪魔(悪霊)はいないのかな?」
「日本だとどう説明つくんだろう?」
と疑問点もあることは確かです。
(たしかこの本で、キリスト教圏以外の国についても説明されていて、
日本の霊についても触れられており、なんか納得したような記憶あるのですが、
なにせ3年ほど前の読書なので・・・・・・
曖昧ですみません!)
ただ、読んで非常に納得感ありましたし、
日本語訳が出た暁には「ぜひ読みたい!」と強く思った本になりますので、
漠然と「洋書を読みたい」「英語を楽しく、無理なく学びたい」という人には
超オススメです(英語もそんなに難しいレベルではなく、「ほどよい」感じでした)