SIRISIRI’s diary 大人の読書感想文。

一応出版関係の仕事をしているので徒然なるままに本を読んだり、なんかしたりしたことをゆる~く書いてまいります。

徒然なるまま感想文20『影響力の心理』

こんにちは、SIRISIRIです。

 
この感想文も、数えてみると20回目!
目標である1ヶ月連続更新の道半ばではありますが、
20回も感想文を投稿できることなんてイメージできていなかったので、
少し嬉しく思います!
 
昨日はビジネス×ヨガの本を取り上げました。
それは、マインドフルネスの企画を作りたくて、心理関係の本を読んでいたからです。
で、引き続き今日も心理系の書籍を取り上げたいと思います。
心理系の本って、結構翻訳書も多いんですよね(海外の本を日本語訳した本)
これは、翻訳チームとしてお仕事しているので感じることでもあるのですが、
海外の心理学の本ってだけで、なんか凄そう
な感じがするんですよねー
そういった意味では、権利を買う側からすると
わりと取っつきやすいというのも、心理学系の翻訳書が多い理由なのかな、とも思います。
 
そんなわけで、20回目で初となる翻訳書を本日はお届けします!
 
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『影響力の心理』

(ヘンリック・フェキセウスさん著、樋口武志さん訳、
大和書房さん)
 
フェキセウスさんって!
名前だけでそもそもすごそうですよね。
そして、この装丁もペンギンちゃんが良いアクセントになっていて、それっぽいし、
思わず手に取ってしまいました。
 
この本では
影響力のある人になるにはどうすればいいのか、
ということが書かれています。
 
そのためには
・仕草
・話し方、話の順序
・タイミング
・使う言葉
などで影響力を上げていくことは可能であり、
それによって相手を思いのままに動かすことも可能と書かれていました。
 
どんな人でも、相手を思い通りに導きたいときはありますよね(そうだとハッキリ自覚していなくても)
 
・子どもが言うことを聞いてくれない
 →言うことをきくよう子どもを操りたい
・企画を通したい
 →どうすればみんなが賛成してくれるだろう?
・夫に家事をしてもらいたい
 →仕事で疲れていたとしても、夫にも言うことをきいてもらいたい
などなど、日常生活・仕事、いろんな場面であると思います。
そんなとき、仮に言うことを聞いてくれたとしても、イヤイヤ動かれるのは避けたいですよね。
鬱憤がたまって、いつか爆発して自分に矛先が向くのでは…
どうせ動いてもらうなら気分良く行動してほしいですよね。
 
これがこの本の目指しているところであって、
相手が操られていると感じることなく、自分の思い通り動いてもらう方法
を伝えている良書でした。
 
さらに、影響力のある人の定義もしっかりとされていて、
それは単に権力がある人や恐れられている人、「あの人の言うことは絶対だ」と力で抑えている人のことでは決してなく、
「あの人なら協力したい」
「あの人の味方になりたい」
と他人が進んで力を貸してくれる人、
要は影響力とは他人から与えられるものなのだ、
としっかり定義づけされています。
なので、
相手にそうと気づかれずに動かすことで、
相手に知らず知らずの間に味方意識をもってもらって力を貸してもらう方法を説いているのです。
 
・語彙の豊富そうな人は知的に映る
・「あなた」を文頭にもってきて話すと、メッセージがより強力になる
・文脈的に正しくなくても、逆説ではなく順接「だからこそ」を用いることで、相手は納得する
・頼み事に小さな付箋メモをつかうと、相手は嬉しくなって引き受けてくれる
など、誰にでもすぐできる具体的で小さなことがたくさん書かれていました。
「避けるべき地雷言葉」なるものも、非常に興味深かったです。
 
翻訳書なので、
文化の違いやビジネスの進め方の違いはどうしてもあり、そこで違和感を感じてしまうことも多少はありました(上司、先輩に自分の意見を繰り返させることなど)。
あとは、訳で少し気になるところ(「同僚」という単語が「同期」と同じような意味として使われていたりなど)はありましたが、
全体的にはそんなに気に止まらずに読み進みられると思います。
影響力について興味のない人でも、
読み物として楽しめますし、
意外と「あ、これ使えそう!」というのが多いので、オススメです。
 
心理学系の本は役立つ・役立たないの前におもしろい!
その例に漏れない一冊でした!